介護事業者の倒産件数、過去最多を更新
2024年1月から10月までに、介護事業者の倒産件数が145件に達し、これまで年間最多だった2022年の143件を上回りました。
特に訪問介護事業者の倒産が72件と過去最多を記録し、全体の約半数を占めています。
倒産増加の背景:人手不足と物価高騰
倒産増加の主な要因として、人手不足と物価高騰が挙げられます。介護業界では慢性的な人材不足が続いており、特に訪問介護分野ではヘルパーの確保が困難な状況です。さらに、燃料費や光熱費、介護用品の価格上昇が事業運営を圧迫しています。
介護報酬改定の影響
2024年度の介護報酬改定では、全体でプラス1.59%の改定が行われましたが、訪問介護の基本報酬は引き下げられました。これにより、特に小規模な訪問介護事業者の経営が一層厳しくなっています。
今後の展望と対策
このままでは、介護サービスの提供体制が弱体化し、いわゆる「介護難民」の増加が懸念されます。国や自治体による支援策の強化が求められると同時に、業界内での協力や再編を通じて経営基盤の強化を図ることが急務です。